創立70周年記念式典を祝して
全国珠算教育連盟は、昭和28年9月24日、全国の珠算教育者の大きな期待を受けて誕生しました。その後、50余年にわたる公益活動が認められ、平成25年6月に公益法人に認定され7月に移行しました。当時の理事長で認定にご尽力いただいた梶川顧問より、創立70周年を記念してご寄稿いただきました。
顧問 梶川 眞秀
昭和28年(1953年)全国の珠の同志が結集して連盟が創立されてから70年、令和5年9月には節目の70周年を迎えました。
誠に喜ばしいことであります。
山あり谷ありの70年、辿ってみると長い年月の中には喜びや厳しい日々も思い出されます。
創立されてから30年は会員も若さに溢れ、何事も右肩上がりを続ける成長期でありました。
しかし、昭和50年代を迎えると電卓から始まるIC時代の波は年々厳しさを増します。
高校から「計算実務」の科目が後退するとともに、連盟の財源の基になる受験者数が減少を続け珠算学習者も小学生を対象へと変遷します。
この危機を乗り越えるために、平成7年度理事会において、今までの高校生を対象にした「実務珠算」から小学生を対象にした「教育珠算」への変革を旗印の下、検定試験制度の大幅改正をすることに踏み切りました。
平成13年度からの大幅改正の実施は、後の学習者低年齢化を加速しました。
一時的とはいえ受験者は平成25年度までは右肩上がりの成長を続けました。
しかしその後は、少子化の波と会員の高齢化等の厳しい現実が急速に押し寄せます。
また、近年は東日本大震災や史上稀な豪雨災害等の自然災害、新型コロナウイルス感染症の影響は会員や連盟に大きな影響を及ぼしました。
70年の重い歴史の中で、法人制度の変革が特筆されます。
平成20年12月、国は110年ぶりに公益法人新制度を施行し、これに伴い連盟は新しい法人への移行が必至となり総会において〝公益社団法人〟への道を選択しました。
社会からの信頼が厚いだけに公益社団への道は険しく、後4年半の歳月を経てようやく内閣府から認定され、喜びに浸ったことは懐かしいです。
平成25年度からは、〝公益社団法人〟としてスタートしました。
さて、厳しい現実の中で迎えた70周年は過去にない状況にあります。
この難局を乗り切るには、役職員と会員が心を合わせるしかないです。
「苦あれば楽あり」現状を乗り切れば明るい未来が。明日に向かっての前進を期待したいです。
最後に、能登半島地震で被災された皆様にお見舞い申しあげ、一日も早い復興をお祈りいたします。