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2021/07/01

「YELL」VOL.23 ~社会の第一線で活躍するそろばんOBからの応援メッセージ~ from 石川 洋一

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YELL  VOL.23

~社会の第一線で活躍するそろばんOBからの応援メッセージ~

from 石川 洋一

 

1962年 沖縄県那覇市生まれ 58歳

県立那覇高校、琉球大学法文学部卒業

 

【職歴】

1986年 沖縄テレビ放送入社

総務、東京営業、報道記者、制作ディレクター、イベント事業、関連会社出向、報道制作局長、

現職は取締役総務局長兼技術局担当

 

【珠算歴】

1970年 浜元珠算塾 濱元勇先生に師事

1972年 県大会小学校の部で読上暗算初優勝

1982年 20歳で珠算十段位合格

全日本珠算選手権大会5年連続出場

 

まくとぅそーけー なんくるないさ

私の好きな言葉、座右の銘です。

正しい(誠)行いが自然によいことを成し遂げる。

という沖縄の黄金言葉(くがにくとぅば)です。

 

ソロバン弾いて・・・15年

ソロバンを始めたのは小学2年生に上がってすぐ、2歳上の兄の背中を追い(母親に自転車を買って貰う約束で!)珠算塾に通い始めました。教室の待ち時間にビー玉やボール投げをしたり、道草したり、塾通いを楽しんでいました。

検定試験に受かり人生初めての合格証書を貰うと“喜び”と同時にソロバンに“夢中”となり、親と買い物に行っては計算し、車の中では対向車のナンバーを計算し、いつの間にか計算することが日常となっていました。

昭和47年に沖縄が本土復帰したその年(通貨がドルから円に変わりました)、小学4年生の県大会で読上暗算初優勝、そのときの桁数は3桁~5桁でした。現在の優勝ラインが5桁~16桁と聞いていますので、沖縄一と自慢するのは恥ずかしい感じで、まったく次元が違います。

小学6年生で初段に合格(当時の最高位は八段)、中学でも学習塾に通いながらソロバンを続け順調に昇段しました。浜元珠算塾では後輩たちも競うように上達し、県内の大会で次々と好成績を収め教室は活気に満ち溢れていました。濱元先生は既成の教材に留まらずオリジナルの問題を作成し、生徒の上達に合わせ読み上げのトレーニングをしてくださっていたことを思い出します。

高校では偶然にもライバル塾の2人が同級生として机を並べることになり、話の勢いで一代限りの那覇高珠算部を立ち上げ(部員は6名で団体2チーム)、競技大会前は放課後の教室に集って練習しました。その頃から自分で考え、工夫して練習することも身につきました。いつの間にかルーティンができあがり、目の前のライバルとの違いを自覚できたことは大きな成長に繋がりました。

目標としていた十段位に合格したのは大学生の20歳、当時県内ではまだ3人目という状況でした。沖縄県は現在200人を超える十段位取得者が誕生し、全国大会で毎年のように日本一を輩出するほどに競技力も向上しています。「珠算王国」として注目されていることを誇らしく思います。沖縄県支部のサイトには読み上げ算の動画がアップされるなど、デジタル化が進み練習法も様変わりしていると感じます。

ソロバンを通して集中力や忍耐力が身についた15年、就職したテレビの世界でもソロバンの力は活かされています。

 

楽しくなければ・・・35年

「楽しくなければテレビじゃない」1980年代にフジテレビが掲げたキャッチフレーズです。

私が入社した沖縄テレビはフジテレビの系列局で明るく、活気があり、アットホームな会社です。

テレビは1日24時間、限られた時間(尺)の中で番組やCMをプログラム(編成)して放送しています。毎日、毎分ごとに番組視聴率を測定し、そこから弾き出される1%あたりの指標は売上に大きく影響します。皆さんが見ているテレビの裏では多くの数字が動いています。

会社は珠算十段という特技に着目し、給与計算業務を担う総務部に配属しました。当時はまだ完全に電算化されず(事務処理PCが1台も無く)、電卓の横にソロバンを置いていました。

3年後にはバブル経済真っただ中の東京支社で営業マン、沖縄本社に戻りバラエティ番組や音楽番組のディレクター、2000年九州沖縄サミットの頃には報道記者としてニュース取材活動、2度目の東京営業を勤めたのち、県内でのコンサートやイベント運営、関連会社に出向して事業開発…、35年間でさまざまな業務を経験しています。

報道記者として珠算大会を取材する機会もありました。「よーい、始め」の声にパチパチと音が響く会場、ピーンと張り詰めた緊張感が伝わり、競技大会に出ていた当時の自分を思い出しました。ニュース取材では、選手の計算スピードや競技種目を原稿に書き上げ、ソロバンを弾く映像を編集します。頭の中の暗算をどう表現するか?と考えをめぐらせ悩むこともありました。最近はフラッシュ暗算が取り入れられたことで、画面に映し出される数字のスピードから計算能力をテレビで伝えることが容易になりました。

フラッシュ暗算の実力者は3桁15口を1.5秒、1秒間で10枚の静止画を認識しています。頭の中の玉を弾くイメージは番組制作における映像編集に活かされたと思います。テレビは1フレーム、30分の1秒、1秒間に30枚の静止画が繋がり動画となります。ディレクターは決められた時間(尺)に合わせて、伝えたいこと、イメージを繋いで番組を作っています。

全珠連のサイトには「ソロバン学習が右脳を活性化し、イメージ思考とひらめきに有効」とする脳波実験の研究が紹介されています。計算力、向上心、創造性を育み、「頭の中の歯車が嚙み合えば“学び”はもっと楽しくなる」、私がテレビの仕事を楽しめているのもソロバンのおかげ!です。

 

ソロバンに・・・感謝

ソロバンは珠算道(しゅざんどう)、人生を導いた“道”だと思っています。出会ってからの半世紀、珠算界にYELLを届ける気持ちで書きましたが、自ら歩んできた道を振り返る機会にもなりました。濱元勇先生をはじめ、県支部の先生方へ改めて感謝申しあげます。

これからも多くの子供たちがソロバンに出会い、それぞれの珠算道を歩み、学びが楽しくなることを期待しております。

まくとぅそーけー なんくるないさ。

 

ところで・・・最近

簡単な計算を間違えます。歳を重ねて頭の中ではピンボケが進んでいます。鮮明に映っていたはずのソロバンがぼやけ、玉を確認しようとして計算スピードが落ちています。全盛期の感覚で数字を見るとバグが起こり間違えるのです。

また練習しようかな…

バージョンアップできないかな…

私の珠算道は“つづく”

 

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