新年のご挨拶
理事長 工藤壽和
あけましておめでとうございます。
皆様にはお健やかな新年をお迎えのこととお慶び申しあげます。
昨年を振り返りますと、ホテルグランヴィア京都において全珠連創立70周年記念式典・祝賀会が開催されました。
会員の皆様と喜びをともにできたこと、万感の思いです。
一方、連盟に目を向けますと、コロナ禍が始まって丸5年、いまだその後遺症から抜け出すことができず、悲喜こもごもの一年だったといえます。
理事者も手をこまねいているだけではありません。
ほとんどの事業は中止せず、オンラインを活用し事業の効率化や変換を図り継続してまいりました。
常々、「連盟復活の特効薬を」という言葉を耳にします。限られた予算の中で最善を尽くしているのですが、皆様から見れば現在の施策は通常薬でしのいでいる状況でしょうか。
今年こそ英知を集結し、経費節減と合わせ、収入増も見据えた特効薬を見つけ出したいものです。
さて、その特効薬の一つと話題の生成人工知能(AI)ですが、日本の産業に与えるプラス効果は2030年代に年21兆円規模になるとある調査で報告されました。
その調査の対象となった5産業の中に「教育・学習支援」がありますが、5産業の中では圧倒的に少額の7780億という予測でした。
私はこの数字を見て、教育においては使い方によって大きな効果をもたらすものの、デメリットもあると想定された結果だと思います。
例えば塾に集まることなく、家庭において子供の習熟度に応じAIが作り出した問題を一人で学習した場合、子供たちのみならず保護者の方々も満足感を得ることができるのでしょうか。
生成AIへの不安を払拭するためには「信頼性の可視化」が必要ともいわれていますが、この場合の信頼性の証明は一人学習での試験の合格となるのでしょうか?
生成AIに情報を入力するにも教育の基礎となる「読み書きそろばん」が不可欠なものとなります。
生成AIは「有から有を産む所作」であり、対してそろばん教育は「無から有を産む所作」であることを忘れてはいけません。
私はこのような時代になればなるほど、子供たちが通塾バックをさげ、教室に出かける習い事の重要性が増大するのではないかと思えて仕方ないのです。
新しい年を迎え、会員の皆様の教室に子供たちの笑顔が溢れることを願ってやみません。