新年のご挨拶
理事長 工藤壽和
あけましておめでとうございます。
皆様にはお健やかな新年をお迎えのこととお慶び申しあげます。
さて、令和4年は皆様にとってどんな年でしたでしょうか。
連盟では新型コロナウイルス感染症はいまだ収束を見ないものの、移動制限や緊急事態宣言等が解除されたため、安全対策に十分配慮のうえ、8月の全日本珠算選手権大会、9月の定時社員総会等を対面型で開催いたしました。
また、各支部事業も再開の兆しが見え始めており、徐々に新たな日常に向けて歩み始めた感があります。
一方、会員教場は3年続けて春の入学時期をコロナによって奪われたことから塾生が減少、教場経営が厳しさを増しています。
その傾向は児童数減少が著しい地方ほど顕著になっており、受験者数にその影響が如実に表れ始めました。
受験者数の減少は本部ばかりではなく、支部の財政をも圧迫します。
今は今春の入学時期に新型コロナウイルス感染症の拡大がなく、会員教場に多くの新入生を迎えることを強く願っています。
お正月早々、悲観的な話題はさておき、皆様は2013年に中国の「珠算」がユネスコの世界無形文化遺産に認定されたことをご存じでしょうか。
世界の発明にも匹敵する、人類が育てた文化的な価値が高く評価されたからと思いますが、当初、私は「珠算はすでに淘汰された文化」と感じられると危惧していました。
ユネスコの審査方法に思いは及びませんが、連盟が従来から強調し、昨年の研究集会でのホールト知子氏も述べられた「そろばんは十進法(十進位取り記数法)が見える最高の教具として評価されたのだ」と想像したら、これほどうれしいニュースはありません。
そして、日本の四つ玉そろばんは中国の五つ玉そろばんより、より優れた、完璧な十進法に沿ったものといえます。
なお、中国ではこの無形文化遺産を、どのように保護、継承していくべきかが議論になっていて、日本の小学校が珠算を授業に取り入れ続けていることを高く評価しているそうです。
この優れた点にスポットを当てることに今後のPRの方向性が隠されているのかもしれません。
今年9月、連盟は創立70周年を迎えます。
さらなる前進を目指し、役員一同、力を合わせてがんばりますので、ご支援、ご協力のほどお願いいたします。
皆様にとってよい一年となりますよう祈念し、新年のご挨拶といたします。