新年のご挨拶
理事長 工藤壽和
あけましておめでとうございます。
皆様にはお健やかな新年をお迎えのこととお慶び申しあげます。
さて、3月30日、ホテルグランヴィア京都において創立70周年記念式典・祝賀会が開催されます。
一口に70年と申しましても、連盟の歩んできた道のりは決して平たんなものではありません。
中国唐代の詩人杜甫は『曲江詩』の中で「人生七十古来稀なり」という詩句を残されています。
古希の「古」は「古来」、「希(まれ)」は「めったにない・珍しい」の意味。
つまり、「古来より七十歳まで生きる人はまれなこと」という意味です。連盟はその70年を珠算教育の普及・発展のみに心血を注いでまいりました。
それもひとえに「自主独立」の旗印のもと、先輩諸氏のたゆまぬ努力と飽くなき探求心があったからこそと思います。
この節目の記念すべき日を、会員はじめ関係各位の皆様方とともに寿ぎたいと存じます。
昨今の教育環境に目を向けると、学校でのデジタル学習環境整備においては文部科学省の調査で、学習者用のデジタル教科書の整備率が大幅に増加し、校種別にみると、小・中学校が共に99.1%、義務教育学校においては100%とあります。
まもなく、そろばんボランティア授業の時期となりますが、令和4年度の実施校数は全国の公立小学校数19,161校に対してわずか8%の1,594校と前年度より減少しました。
コロナ禍による辞退、派遣者の高齢化などの要因はありますが、デジタル教科書の整備率を見ると、ボランティア授業による対面式でのよさは十分理解できるものの、デジタル教科書対応への方向転換も必至の状況を呈してまいりました。
この動きに適応できるように、連盟ほか珠算三団体で構成する全国珠算教育団体連合会では、ホームページにアップしている小学3・4年生用の動画に繋がるQRコードを教科書指導書に掲載していただく運動を開始しております。
デジタルによる珠算の有用性を活かしながらも、直接そろばんにふれて、珠算学習の効果を高めることが算数科「数と計算」の領域に資する一助となっていることと想像できます。
ICTが進む学校教育でも存在を示す珠算教育。
IT時代を生き抜く子供たちの才能開花を担う全国の会員各位の日頃のご尽力に敬意を表し、今春の入学時期にコロナ禍の影響がなく、会員教場で多くの新入生を迎えることを強く願っています。
「新しい年への志」をもって、皆様にとって次なる80周年に向け、新しい旅立ちの年になりますよう祈念し、新年のご挨拶といたします。