世界の珠算教育事情(チュニジア共和国編)Vol.16
from 国際珠算普及基金
チュニジアはアフリカ大陸北部の地中海に面した場所にあります。
そのチュニジアに初めて日本式珠算教育が紹介されたのは2005年9月にトモエ算盤株式会社の藤本社長が同国を訪問し、新設校(カリキュラムにそろばんが取り入れられている)の先生方に指導された時ではないでしょうか。
翌2006年秋には当基金とI.Mそろばん、国際文化交流協会の珠算関連NPO3団体共同で使節団を派遣、その後当基金も単独で使節団を派遣するなど、普及活動が順調に進みました。
珠算教育の進展はうれしい反面、問題も発生します。そろばんの認知度が低い国において、そろばんは簡単に手に入るものではなく、支援が頼りといっても無限ではありません。
チュニジアではそのような難局を、子供たちの「手づくりそろばん」という素晴らしいアイディアで乗り越えました。
マイそろばんを手に誇らしげな表情をしている子供たちの写真を目にしたとき、10年後の明るい未来を確信しました。
しかし、「好事魔多し」の例えのように数年後の「アラブの春」で同国の政情が不安定となり、訪問を中断している間に学校現場における珠算教育が下火になり、音信も途絶えてしまいました。
各種ホームページで調べると海外資本の珠算教室の存在が確認できたので、消滅したわけではないようですが寂しい話であります。
またいつの日か、日本式珠算教育の灯をともしたいものであります。