世界珠算心算連合会創立20周年記念シンポジウム開催される part2
珠心算の脳への影響の研究発表
また、他に中国・韓国の代表が次の研究発表を行いました。
テーマ「普及型算盤心算移転能力に与える要素及び認知行動と脳のメカニズムに関する研究」
中国・浙江省大学博士指導講師・陳飛燕氏
珠心算教育の脳に与える影響についての研究発表
①認知機能能力の高まり
車に例えるなら、道路を通常運転で進む車と異なり、高速道路を快走して進む高機能車のように、珠心算学習によって脳神経伝達のスピードが速いことの研究結果が得られた。
②そろばんによる左右の手の操作による脳神経のネットワーク構築が図られた。(長期訓練による影響)
③ハイレベルの脳力アップ
アスリートに例えるなら、運動能力が高いレベルの選手は、高次元で僅差の争いをすることからハイレベルの珠心算熟達者同士で切磋琢磨することで、脳力アップが期待できる。
④目で見て瞬間的に答えを出す操作が脳力を高める
両手の操作が脳によい影響を与えるという研究では、見方によっては日本の伝票算の操作が脳神経によい影響を与える、とも捉えることができる。
◎珠算を2、3か月学ぶことでも、数学能力(計算能力、空間能力、ロジカル能力)や演算能力は高くなる。また、身につく。職業における成果に結びつく。
◎珠心算は、ハイレベルな能力で、長期的な練習が必要。
◎執行能力や問題解決能力が身につく。
◎珠算で得た能力は、例えば、パソコンのCPUのようなもの。
◎珠心算は脳に影響を及ぼす。脳神経の伝達が速く、脳のネットワーク効率が高い。また、脳の発展のルールに従って取り組む必要がある。
テーマ「韓国珠算界の現状と世珠連の未来」
世珠会韓国委員会 副会長权赫植Kwon Hyksik氏
韓国の珠算教育の現状とパンデミック後の普及活動の課題及び世珠連への期待。
AIに代表される第4次産業革命時代を迎える中、珠心算の方向性を定めていきたい。
また、目で見て瞬間的に答えを出す操作が脳力を高める―「すばやい暗算」の指導の重要性―を提唱。
なお、「珠算は心算に置き換えられる」可能性を示唆した。
瞬間的に答えを出す操作、すばやい暗算の指導の重要性について、日本でいえば、“フラッシュ暗算4級”程度の速さによって脳力開発が可能、という見方ができる。
◎そろばんが上手であれば生活できる、という時代は終わった。
◎珠算人口を増加させるには珠算式暗算への移行がポイントである。
その理由は、「①集中力・注意力の重要性」、「②学校での2桁4口くらいの計算がすぐにできること」、「③スピーディーな暗算力を身に付けさせること―クイック暗算―」と示すことができる。