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2024/03/15

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子どもの権利

From 渡邉 一衛(成蹊大学名誉教授・すみれ幼稚園理事長・全珠連学術顧問)

 

筆者が住んでいる東京都武蔵野市では令和5年4月1日に「武蔵野市子どもの権利条例」(以下「条例」と記す)が施行されました。

 

本稿では、そのもととなった「子どもの権利条約」(以下「条約」と記す)と本市の条例について紹介します。

 

条約は、1990年に国際条約として発効され、2022年7月現在、条約に参加している国と地域は196にのぼります。

 

日本では、1994年4月22日にこの条約を批准し、同年5月22日に発効されました。

 

条約が発効されるまでには、さらに約40年遡ることになります。

 

1948年【すべての人は平等であり、それぞれが同じ権利を持つ】という「世界人権宣言」が端緒となり、1959年【子どもは子どもとしての権利をそれぞれ持つ】という「児童の権利宣言」へ発展しました。

 

その20周年にあたる国際児童年に、宣言だけでなく実効性を伴うものを作るという機運が高まり、国連人権委員会の中に「子どもの権利条約作業部会」が設置されました。

 

そして、10年後の1989年、ユニセフをはじめ多くの国の尽力により国連において採択され翌年発効となりました。

 

条約には、「命を守られ成長できること」「子どもにとって最もよいこと」「意見を表明し参加できること」「差別のないこと」の4つの原則があり、条例ではこれらの原則に基づき、次のように子どもの権利を定めています。

 

第3条 子どもは、子どもの権利条約に基づき、権利の主体として子どもの権利が保障されます。

 

この場合において、次に掲げる子どもの権利は、特に大切なものとして保障されなければなりません。

 

(1)安心して生きる権利

(2)自分らしく育つ権利

(3)遊ぶ権利

(4)休息する権利

(5)自分の意思で学ぶ権利

(6)自分の気持ちを尊重される権利

(7)意見を表明し、参加する権利

(8)差別されずに生きる権利

 

8つの権利の中の(3)と(4)は、条約の第31条第1項の「締約国は、休息及び余暇についての児童の権利並びに児童がその年齢に適した遊び及びレクリエーションの活動を行い並びに文化的な生活及び芸術に自由に参加する権利を認める。」を根拠にしています。

 

残念ながら条例ではこの後半の文化・芸術への参加について記載されていませんが、これについても進めていきたいです。

 

日本での条約の批准以降、多くの自治体が条約に関連した条例を施行しており、塾においても子どもの権利を守る活動を行う必要があると感じています。

 

なお、条約の詳細については、ユニセフの「子どもと先生の広場-子どもの権利条約-」を参照してください。

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