
2024年8月,阪神甲子園球場が開場100周年の記念。同じ8月に私も満100歳の誕生日を迎えました。昨年は99歳の「白寿」を祝う会を地区の先生方のお世話で盛大に催し,記念誌までも発行していただきました。今年は「百寿」。身内や知己の方々からお祝いの花や祝辞を贈られました。そして9月の「敬老の日」には早々に内閣総理大臣・岸田文雄様名義の小包,祝辞と記念品「銀杯」が届きました。続いて兵庫県知事・斎藤元彦様,神戸市長・久元喜造様からの祝い状と記念品などが届きました。他にも祝電・メール等,数々の祝い状をいただき恐縮。至福の一日でした。多くの方々から「長生きの秘訣は」と聞かれます。特別秘訣というものはありませんが,あえて日頃感じていることを少し申し述べてみたいと思います。
今や日本人の平均寿命は80歳を超える長寿となり,人生100歳時代と云われるようになりました。戦国時代,織田信長が好んだと云われる「人間 五十年 下天のうちを比ぶれば,夢幻のごとくなり」という一節があります。人の世は天界時間と比較すれば,一瞬の夢のようなものでしかないという意味合いです。信長が生きた時代と異なり,100年生きることが現実味を帯びている今日ですが,身の回りを見渡してみても決して100歳の人は多くはいません。まだまだ稀有の感です。
日頃かかりつけ医の問診で聞かれるのは,まず「食欲はありますか?」「ハイ,普通です」,次に「夜はよく眠れますか?」「ハイ,これも普通です」,「タバコは吸いますか?」「タバコはわけがあって還暦の頃から禁煙を続けています」。そのわけというのは塾の授業中に生徒の一人から先生の息がタバコ臭いからと指導を拒否されたことで,それから禁煙を続けています。次に一番大事なことは運動です。健康の三大要素とされるもの。均整のとれた軽い運動。それは散歩とします。人は皆,還暦を過ぎる頃から,勤めのある方は定年の頃から,一般的に生活様式が変わってきます。この機会に是非,散歩の時間を生活の中に組み入れて,それを長く続けることです。一般的に「老化は足から」と云われます。人によって違いはありますが「喉から」と云う人もあり,人それぞれです。自身の経験から申し述べますと老化の始まった頃,他の病気で発熱し緊急入院。3週間のベッド生活,脚力が弱り自宅で転倒骨折,3か月の安静療養とリハビリを経てようやく復帰。特に脚力の弱化は転倒により致命傷になることが多いと云われます。脚力の老化を防ぐためにも是非散歩の時間をつくることを推奨いたします。散歩には多くの効能がありました。まずは新人との出会いです。同じような境遇の人との出会いには素晴らしい交友が生まれます。四季の移ろいの間に五感の躍動を感じ,必ず新しい発見があります。散歩にはよいことばかりの記憶です。是非,散歩の実行をお薦めいたします。
最後になりましたが蛇足を一言。連盟の慶弔規程の中で慶事について長寿祝い金の項目に白寿祝(満99歳)を最高齢となっていますが,会員の高齢化もあり,さらに目標化にもなり,がんばりのためにも最高齢を111歳の「皇寿」まで追加訂正をしてはどうかを提案します。拙稿をお許しください。
